棚卸立会の留意点とは
どーも!
自称superCPA、実態はそのへんの普通の公認会計士です。
3月決算の会社であれば、もうそろそろ棚卸立会ですねー。
3月末基準日で実施する会社もあれば、2月末基準日で実施する会社も結構あります。
私の経験では、2月末基準日の会社のほうが多いです。
棚卸差異の調整にけっこう時間がかかる…
棚卸立会の目的
監査基準委員会報告書501で以下の通り、棚卸立会の目的は記載されています。
① 実地棚卸結果を記録し管理するための経営者による指示と手続を評価すること
② 実施されている棚卸手続を観察すること
③ 棚卸資産を実査すること
④ テスト・カウントを実施すること
上記①~④に加えて、大事なのが、「最終的な在庫記録が実際の実地棚卸結果を正確に反映しているかどうかを判断すること」です。これは、棚卸実施後の手続です。
それでは、具体的にどんなことをすればいいのかといいますと、
まずは会社に訪問。
普段行かない初めての工場だったり、店舗だったりするので迷わないように。
着いたら簡単に自己紹介、ご挨拶をして、棚卸の流れをヒアリング。
見取り図をもらい、棚卸の範囲、対象外資産の保管場所等を確認する。
また、入出庫が止まっているか、棚卸のやりかた(2人一組で実施するか、リストの出力方法、リストに数量が書かれてあるか、現物を網羅的にカウントできるか)も確認。
その後、棚卸に同行。
棚卸立会のメインは会社の棚卸がちゃんとできているかを評価すること!
テストカウントだけしてくればいいからと言われたりしますが、本当のメインはこっち!!!
なので、たまにテストカウントをはさみつつも、基本は気になったことをどんどんヒアリングしちゃいましょう。
未開封の袋を開けるか、全部の箱をちゃんと開けて確認してるか(1つ目の箱に4つだったから残りの箱もたぶん4つみたいなあいまいなカウントをしていないか)などなど。
あとは、ロケーション全体を散策しましょう。
棚卸資産っぽいものが簿外になっていないか、棚卸資産っぽい固定資産と区分が適切にされているか、雨ざらしになっているものがないかなどなど。
棚卸が完了したら、もれなく対象資産が棚卸されたかを確認して棚卸立会は終了。
工場とかだと、最後に講評会を実施します。
会社の現場の上長や、監査役、内部監査室、経理の方の講評とともに、監査法人からの講評も求められますので、しっかりと気づいたことをお伝えしましょう。
会社によっては10人、20人集まっての会になるので、何かしら講評ネタを立会中に仕入れる必要があります。これが難しい…
鉄板は、事前に滞留在庫を指定しておいて、実際に現場で確認。それを講評する。
これなら、最低1個は確保できます。
あとよくあるのは、モノが多くて通路に保管されているとか、複数のロケーションに同じものが分散されて保管されているとか、会社の棚卸マニュアルと異なるやり方をしているとか。
逆に整理整頓されていてよかったとかのプラス面のコメントも全然問題ありません。
プラスもマイナスも両方お伝えできるのが一番いいと思います。